自宅でのBGM。お気に入りを流すのも良いですが、作業効率のアップやストレス解消、「脳に刺激を与える」などの目的でクラシック音楽を聴いてみると、案外はまるかもしれません。
義務教育で学び、胎教や音楽療法でも使われています。新しいオーケストラが生まれ続け、数々の有名アーティストが影響を受けています。そんな”音楽”に魅力がない訳ないですよね。
たとえば、"グレン・グールド”のクラシック音楽はいかがですか?
グレン・グールドについて
グレン・グールドはトロントで生まれたカナダのピアニスト(1932-1982)。トロントの王立音楽院を最年少の12歳でありながら最優秀の成績で卒業。
1956年にアメリカで発表した初アルバムが全米チャートで1位を獲得。閉鎖的な風潮のあった当時のソ連や東欧諸国のコンサートでセンセーションを起こし世界的なピアニストとなる。
1964年に突然、聴衆を前にした演奏会から”ドロップアウト”を宣言し、レコーディングスタジオでの音楽活動に専念した。
「芸術の目的は、アドレナリンの瞬間的な放出ではなく、驚きと穏やかな心の状態を、生涯かけて築いてゆくことにある」――(グレン・グールドより)
◆筆者の勝手な分類
1956(24歳)〜1964(32歳)・・・前期(コンサート)
1964〜1982(50歳)・・・後期(レコーディングスタジオ)
And Serenity
アンド・セレニティ――瞑想するグレン・グールド
2003年に発売されたグレン・グールドのスローナンバーを集めたベストアルバム。「おだやかな心(セレニティ)」クラッシックに馴染みのない方にもおすすめで、ピアノジャズが好きな方は特にスムーズに入れます。
Bach:The Goldberg Variations
バッハ:ゴールドベルク変奏曲
1955年のデビュー作品を26年ぶりにデジタルによるステレオ・スタジオ再録音したアルバム。デビュー当時のモノラル録音盤より結果的に180%スローテンポになり、落ち着きを感じます。
本人のインタビューで「再録音でテンポを遅くしたのは、年齢を重ねた結果である」と答えています。“バッハ”を代表する演奏家“グレン・グールド”を象徴する一枚。
"アリア"から始まります。一度は耳にしたことがあるかもしれません。
Bach:Partitas/Preludes
バッハ:パルティータ(全曲)/プレリュード&フゲッタ集
「➀パルティータ全曲集」と「➁小プレリュードと小フーガ集」の2枚組。➀は前記。➁は後期で《ゴールドベルク変奏曲》再録音の少し前に録音され、最晩年の作品のひとつ。
パルティータ(Partita)とは、共通の主題・モチーフ・情緒によって、統一性をもって構成された組曲という意味。17世紀には変奏曲という意味で使われていたとのこと。
Plays Bach:English Suites French Suites
バッハ:イギリス組曲/フランス組曲
EU輸入盤4枚セット
DISC 1、DISC 2
▪イギリス組曲(全6曲)(録音:1971年、1973年、1974年、1975年、1976年)
DISC 1、DISC 2
▪フランス組曲(全6曲) (1972年、1973年)
グールドのバッハをお値打ちにたくさん聞けます。フランス組曲は軽やかでとても聞きやすく、イギリス組曲は落ち着いた美しさを感じます。
グールドのコレクションが増えた後も、最終的にお気に入りのアルバムのひとつになるかなと思います。
Brahms:Ballades/Rhapsodies/Intermezzi for Piano
ブラームス:4つのバラード/2つのラプソディ/間奏曲集
バッハの作品が有名なグールドですが、ブラームスの表現も素敵です。ブラームスは自らが優れたピアニストであっただけでなく、多くのピアノ曲を作曲しています。
ジャケットに採用した写真はグールドの独特な演奏スタイルを上手く切り取っています。短い脚の椅子に座り、体を揺らし、口ずさんで演奏しました。
これフローリングでやると跡がつくやつです。たおれそー笑。
さいごに
グールドは自分が発表した作品を自らアレンジし、評価を高めた”セルフプロデュースに長けた演奏家”でした。
生前から数々の著書や解説書の類が出版され、今なお論評は継続し、音源は常に新しさを感じさせるてくれる貴重な存在です。演奏は最高で、演奏態度は最悪と言われたこともあるみたいです。
今は選択できる音楽のジャンルが豊富にあります。
そんな恵まれた時代に選択肢の一つとしてクラシック音楽を聴く事や、作曲家・演奏家のルーツ、時代背景に思いを巡らせたりすることで「時間」や「幸福」について少し考える機会になることも。